ウェビナー(Webinar)とは?どんなメリットやデメリットがあるの?

更新日:2025年5月27日
会社説明会や製品発表会、研修など、様々なシーンで活用が広がる「ウェビナー」。本記事では、ウェビナーの基本的な定義、ウェビナーを成功に導くためのポイント、ツールの選び方、そして貸し会議室を活用するメリットについて詳しく解説します。
- 【目次】
- ウェビナー(Webinar)とは?Web会議との違い
- ウェビナーの主な開催目的と活用シーン
- ウェビナーの配信方法
- ウェビナーのメリットとデメリット
- ウェビナー開催のステップ
- ウェビナーで使うツールの選び方
- 貸し会議室でウェビナーを開催するメリット
- 貸し会議室のウェビナーご利用事例
ウェビナー(Webinar)とは?Web会議との違い
ウェビナーとは、「Web(ウェブ)」と「Seminar(セミナー)」を組み合わせた造語で、その名の通り「インターネット上で配信するセミナー」のことです。
2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、対面でのイベント開催が難しくなったことをきっかけに、ウェビナーの需要は爆発的に増加しました。Web会議ツール「Zoom」や「Skype(2025年5月にサービス終了。現在は、Microsoft Teams)」などの普及も相まって、多くの企業や団体が積極的にウェビナーを取り入れるようになりました。
ポストコロナ社会においても、時間や場所の制約を受けずに情報発信や学習ができるウェビナーは、極めて有効なコミュニケーション手段として定着しています。
Web会議とウェビナーの主な違い
Web会議とウェビナーを混同している方もいるかも知れませんが、目的や用途には明確な違いがあります。
・Web会議:
少人数での双方向のコミュニケーション、ミーティング、打ち合わせが主な目的です。参加者は比較的小規模(数人~数十人程度)で、全員が自由に発言、画面共有、チャットが可能。参加者全員が主体的に参加する形式です。
・ウェビナー:
大規模な参加者への一方向の情報発信、講演、セミナーが主な目的です。参加者は大規模(数十人~数万人規模)に対応可能。主催者(ホスト、パネリスト)が中心となり、参加者は主に視聴に徹します。
質疑応答はチャットやQ&A機能を通じて行われることが多く、参加者の音声やビデオはオフに設定されるのが一般的です。管理機能が豊富なのが特徴です。
上記のように、ウェビナーは「一方向性の情報伝達」に特化し、大人数への効率的な情報共有に適している点がWeb会議とは異なります。
ウェビナーの主な開催目的と活用シーン
ウェビナーは、単に情報を提供するだけでなく、ビジネスの様々なフェーズで戦略的に活用されています。主な目的と活用シーンは以下の通りです。
リード獲得(見込み顧客の獲得)
自社製品・サービスの紹介、業界のトレンド解説など、見込み顧客が関心を持つテーマで集客し、参加時に得られる情報(会社名、メールアドレスなど)をリード情報として活用します。
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
獲得したリードに対して、より専門的な情報や導入事例、課題解決に繋がるコンテンツを提供し、購買意欲を高めます。複数回のウェビナーを通じて関係性を構築することもあります。
新規商談・既存顧客フォロー
製品デモンストレーション、導入後の具体的なメリット説明などを行い、購買を検討している層への後押しをします。また、製品の新機能紹介、活用セミナー、ユーザー会などを開催し、顧客満足度向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化をはかることができます。
ブランディング・採用活動
専門性の高いテーマや最新トレンドに関する情報発信を通じて、企業のブランドイメージ向上や業界内でのプレゼンス確立を図ります。また、採用活動においては遠隔地の学生や転職希望者にもリーチでき、企業の魅力や働く環境を効果的に伝えることができます。
社内研修・教育
全社員への一斉研修や、拠点を超えた情報共有に活用でき、移動コストや時間を削減できます。外部講師を招いた研修なども有効な活用方法です。
ウェビナーの配信方法
ウェビナーの配信方法には、大きく分けて2種類あります。それぞれ特性が異なるため、目的に合わせて選択しましょう。
リアルタイム配信(ライブ配信)
あらかじめ配信時間を決め、生中継形式でウェビナーを行うスタイルです。その場で参加者からの質問を受け付けたり、投票機能を使って双方向のコミュニケーションをとることが可能です。ライブ感があるため参加者の集中力を維持しやすく、最新の情報を伝えるのに適しています。
・メリット:
双方向のコミュニケーションが可能で、参加者の反応をリアルタイムで把握できる。ライブ感があり、参加者のエンゲージメントを高めやすい。旬な情報や緊急性の高い情報を迅速に伝えられる。
・デメリット:
突発的な接続障害やシステムトラブルに弱い。配信環境の整備が必須。参加者と運営者の双方に決まった時間の拘束がある。
オンデマンド配信(録画配信)
事前に録画・編集した動画をインターネット上に公開し、参加者が24時間いつでも好きなタイミングで視聴できる配信スタイルです。リアルタイムでの質疑応答はできませんが、参加者の都合に合わせやすいため、より多くの視聴者に見てもらえる可能性が高まります。
・メリット:
参加者は時間や場所を選ばず、自分のペースで視聴できる。運営側は一度制作すれば繰り返し利用でき、工数削減に繋がる。コンテンツの修正や再編集が容易で、質の高い情報を提供できる。
・デメリット:
リアルタイムでの質疑応答や双方向のコミュニケーションが難しい。参加者の集中力が途切れやすい可能性がある。情報の鮮度が落ちる可能性がある(特に速報性が求められる内容の場合)。
リアルタイム配信とオンデマンド配信は、それぞれの特性を理解し、目的やコンテンツ内容に応じて使い分けることが重要です。リアルタイム配信後にその録画をオンデマンド配信として提供する「ハイブリッド型」も、多くの企業で採用されています。
ウェビナーのメリットとデメリット
手軽に配信できるウェビナーですが、リアルのセミナーにはないオンライン特有のメリット・デメリットが存在します。
運営者側のメリット
・集客がしやすい
場所や人数に制限が少ないため、全国・全世界からの参加者を集客できます。
・コスト削減ができる
会場費、交通費、資料印刷費などが削減できます。
・複雑な情報も資料や映像を駆使してわかりやすく伝えられる
画面共有、動画再生、アニメーションなどを活用し、視覚的に訴求できます。
・データが取得しやすい
参加者の登録情報、視聴履歴、チャットログ、アンケート結果など、詳細なデータを取得・分析し、マーケティング活動に活用できます。
・コンテンツの再利用が可能
録画したウェビナーはオンデマンドコンテンツとして再利用でき、資産となります。
参加者側のメリット
・どこでも参加ができる
インターネット環境とデバイスがあれば、自宅、オフィス、外出先など場所を選ばず参加できます。
・交通費や時間がかからない
会場までの移動時間や交通費の負担がありません。
・チャットやQ&A機能を使えば気軽に質問・発言ができる
対面では発言しにくい人も、チャット機能を使って質問しやすい環境です。
・匿名性が保たれる
顔出しなしで参加できるため、気軽に情報を収集できます。
運営者側のデメリット
・参加者の反応がわかりづらい
視聴者の顔が見えないため、熱量や理解度を肌で感じ取りにくいことがあります。
・接続障害・システム障害が起こる可能性がある
ネットワーク環境やツールの不具合により、予期せぬトラブルが発生するリスクがあります。
・情報漏洩のリスクがある
セキュリティ対策が不十分なツールを使用すると、情報漏洩のリスクがあります。
・参加者エンゲージメントの維持が難しい場合がある
リアルな場での一体感を出すのが難しく、集中力が途切れやすい参加者もいます。
参加者側のデメリット
・インターネット環境や場所によって配信が見られない可能性がある
参加者側の通信環境が不安定だと、視聴が中断されたり、品質が低下したりすることがあります。
・通信機器の操作が苦手な人は参加しにくい
特にITリテラシーが高くない層にとっては、参加へのハードルが高い場合があります。
・一方的な情報になりがち
リアルタイム配信でも、主催者側が双方向性を意識しないと、参加者が受け身になりやすいです。
ウェビナー開催のステップ
ウェビナーを成功させるためには、事前の準備から開催後のフォローまで、計画的な進行が不可欠です。主なステップは以下の通りです。
ステップ1: 企画
何のためにウェビナーを開催するのか(リード獲得、商談、ブランディング、採用など)を明確にします。どのような層に参加してほしいのか(職種、役職、課題など)を具体的に設定し、ターゲットの課題を解決できる、あるいは興味を引くテーマを選び、具体的なコンテンツ内容(アジェンダ、スライド構成)を設計します。配信形式(リアルタイム、オンデマンド、ハイブリッド)と使用ツールもこの段階で決定します。
ステップ2: 集客
ウェビナーの内容、登壇者、開催日時、参加方法などを記載した特設ページや申込フォームを作成します。既存顧客・リードへのメールマガジンやSNS、顧客リストへのアプローチに加え、新規顧客獲得のためのリスティング広告、SNS広告、プレスリリース、ウェビナー集客サイトへの掲載なども検討しましょう。開催日前に複数回、参加者へのリマインドメールを送付し、参加忘れを防ぎます。
ステップ3: 準備
安定したインターネット回線(有線接続推奨)、高品質なカメラ、マイク、照明、登壇者のPC、モニターなど、機材・環境の整備を徹底します。視覚的に分かりやすく、魅力的なスライド・資料の作成も重要です。スムーズな進行のために、話す内容やタイミング、Q&Aの運用方法などを明記した台本・進行表の作成も必須です。
本番同様の環境で、登壇者、運営スタッフ全員で複数回リハーサルを実施し、機材の動作確認、音声・映像チェック、進行の確認、トラブルシューティングを行います。登壇者、進行役、チャット・Q&A対応、技術サポートなど、役割分担の決定も忘れずに行いましょう。
ステップ4: 実施(当日)
スムーズな参加者の受付・入室案内を心がけ、開始前には音声テスト、チャットの使い方などを説明します。準備した台本に基づき、時間配分を意識しながらウェビナーを進行します。チャットやQ&A機能を活用し、適宜質問に答えたり、アンケートや投票機能で参加を促すなど、参加者とのコミュニケーションを積極的に図りましょう。万が一の接続不良や音声トラブルに備え、迅速に対応できる体制を整えます。
ステップ5: アフターフォロー
参加者の満足度や改善点、ニーズを把握するためのアンケートを実施します。参加者へのお礼とともに、講演資料や録画アーカイブのURLなどを共有するお礼メールを送付しましょう。参加者の視聴時間、Q&Aの内容、アンケート結果などをデータ分析し、次のウェビナーやマーケティング施策に活かします。ウェビナーで得られたリード情報をもとに、個別の営業アプローチやナーチャリング施策(メルマガ、個別相談会など)を行うなど、リードへのアプローチも重要です。
ウェビナーで使うツールの選び方
ウェビナー開催には、目的に合った適切なツールの選定が重要です。多くのツールが存在するため、以下のポイントを参考に選びましょう。
・開催規模と参加人数: 少人数向けか、大規模向けか。プランごとの上限人数。
・必要な機能:基本的な機能(画面共有、チャット、Q&A、録画機能)、マーケティング機能、セキュリティ機能などの有無。
・配信形式への対応: リアルタイム配信のみか、オンデマンド配信にも対応しているか。
・操作性・使いやすさ: 主催者側だけでなく、参加者側にとっても使いやすいインターフェースか。
・費用: 月額料金、参加人数に応じた料金体系などを確認します。
・サポート体制: 日本語サポートの有無、対応時間、サポートの種類(メール、電話、チャット)など。
・安定性: 大規模配信でも安定した回線品質を提供できるか。
主要なウェビナーツール(一例)
様々なウェビナーツールがありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
・Zoom Webinar:
Web会議ツール「Zoom」のウェビナー向け機能。安定性が高く、大規模な参加者に対応。Q&A、投票、挙手などの機能が充実しており、世界的に広く利用されています。
・V-CUBE セミナー:
国内で豊富な実績を持つウェビナー配信サービス。手厚いサポート体制が特徴で、企業のニーズに合わせたカスタマイズも可能。録画配信やライブ配信、ハイブリッド開催にも対応しています。
・EventHub:
ウェビナーだけでなく、展示会やカンファレンスなど、様々なイベントをオンラインで完結できるイベントプラットフォーム。エンゲージメント機能やデータ分析に強みがあります。
・Cocripo (コクリポ):
比較的安価で始められる国産ウェビナーツール。シンプルな操作性が特徴で、初めてのウェビナー開催にもおすすめです。
・Adobe Connect:
高度なカスタマイズ性を持つプロフェッショナル向けウェビナーツール。インタラクティブな機能やデザインの自由度が高いのが特徴です。
これらのツールはそれぞれ異なる強みや特徴を持っているため、自社の目的や規模に最適なツールを選ぶことが、ウェビナー成功への第一歩となります。
貸し会議室でウェビナーを開催するメリット
いざウェビナーを開催しようとしても、自社に適切な機材や環境が揃っていない、あるいは集中できる配信場所がない、といったケースも少なくありません。そんな時に心強い味方になってくれるのが、「貸し会議室」の存在です。ウェビナー開催のために貸し会議室を利用するメリットは、以下の通りです。
安定・快適なライブ配信が可能
貸し会議室では、高速かつ安定したインターネット回線(専用回線など)が整備されているため、通信トラブルのリスクを軽減し、途切れることのない快適なライブ配信を実現できます。
必要な機材・設備をあらかじめ用意してくれる
高品質なカメラ、マイク、大型モニター、プロジェクターなど、ウェビナーに必要な機材がレンタル可能です。設営から撤収までスタッフに任せられるため、IT技術や知識に自信がない方でも安心してウェビナーを開催できます。
ハイブリッド型ウェビナーへの対応
オンライン参加と会場での対面参加を組み合わせた「ハイブリッド型ウェビナー」も容易に実現できます。広いスペースと適切なレイアウトで、少数の参加者を招きつつ、オンライン配信も同時に行うことが可能です。
ミーティングスペースAPは、オンライン配信に適した貸し会議室です。オンライン配信専用サービス「AP OnLine」では、業界最高峰の高速インターネット回線を複数完備し、万が一のトラブルに備えたバックアップ回線もご用意しています。
安定した高品質な配信環境に加え、専任スタッフによるサポート体制も充実しているため、初めてのオンラインイベントや重要なWeb会議でも安心してご利用いただけます。
貸し会議室のウェビナーご利用事例
ここでは、ミーティングスペースAPの貸し会議室におけるウェビナーのご利用事例をご紹介します。
AP市ヶ谷
オンラインのウェビナーをメインにしつつ、現場に数名だけ参加者を招きたいというケースもあるかもしれません。AP市ヶ谷では、ウェビナーと対面セミナーの両方を実現する「複合型のウェビナー」も開催できます。
貸し会議室では机や椅子を自在に配置できるので、ソーシャルディスタンスに考慮したレイアウトにすることも可能です。数十名から数百名規模の参加者を想定としたウェビナーの開催を検討している方であれば、ぜひAP市ヶ谷へご相談ください。
AP西新宿
AP西新宿は、都知事選挙関連のライブ中継にも使われた実績を持つ貸し会議室です。各メディアや報道関係者の方にも、スムーズにご利用頂けました。ライブ中継時にはワンフロアを貸し切り、映像チェックの部屋や控え室となる部屋を設けることができます。規模を問わず、参加人数や用途に合わせた柔軟なレイアウトが可能です。
参加者との「対話」はウェビナー成功の鍵ですが、双方向性にこだわりすぎると参加者の心理的ハードルが大きくなることもあります。貸し会議室を利用すれば、オンライン完結型のウェビナーも、会場に少数の参加者を招く複合型のウェビナーも、それぞれの目的に合わせた最適な形で開催できます。貸し会議室でウェビナーを検討されている方は、ぜひミーティングスペースAPへご相談ください。